ワールドカップまでの長期滞在となる今回の旅、出発1時間前まで仕事をこなしながら28日の朝スイスに入るという強行軍の中旅はスタートした。
空港で無事ガイドと合流、ワールドカップのチケットの最終確認をした。この時席を囲んでいたのがヨーロッパ屈指のチケットディラーで、彼からはスペイン対チュニジア戦のチケットを手渡された。いよいよワールドカップ、はじめて目にしたドイツ大会のチケットに柄にもなく感動していた。
「じゃあ、これからどうしようか?」というガイドからの問いに、長時間のフライトで疲れているとはいえやはり現地の雰囲気を味わっておきたかったので「まあとりあえずは市内でも案内してもらおうかな」と答えると、彼はすぐに車を走らせてくれた。
車はユーロ2008のスタジアムになる(?)建物を横目にアウトバーンというハイウェイをひた走った。そして、しばらくすると今にもハイジが飛び出てきそうな景色の中を走る車はやがてある渋滞に引っかかった。「市内」とお願いしたはずなのになぜかここはルツェルンという街、そしてさらに車を走らせると、ヴェギスという看板が目に入ってきた。そう、ここヴェギスはブラジル代表が練習しているヴェギスという街、つまりは日本から来る私のためにサプライズを用意していてくれたという訳だ。渋滞の原因はセレソンのキャンプの様子みたさに集まった観衆によるものだった。
仮設スタンドが作られたこの練習場は、まさにブラジル一色。世界各国から集結したファンも多く、地元の新聞ではスイス国内にいるブラジル人が全員集まったとまで表現されていた。しかも街全体、外壁からゴミ箱、ドおロの看板などがブラジルカラー。そして集まる人の着ている服はセレソンのレプリカユニフォーム(でもアンオフィシャルがほとんど)であることはもちろん靴(ビーチサンダル)やアクセサリーに至るまで全身がブラジルの黄色と緑で塗りつくされ、2002年の時にカメルーンがキャンプをした中津江村も真っ青(真ッ黄色?)というほどの熱烈歓迎ふりだった。
この異常な盛り上がりのためにもちろん練習を観るためのチケットすらすでにない状態、ただこの場所にこれただけでも充分満足できるものだった。
とりあえずはまるでお祭りの時の出店のように並ぶお店でガラナ アンタルチカで乾杯、と盛り上がりたいところだったが何かもうひとつなにかに欠ける。「やっぱり中で練習みたいんだろ」のガイドの問いに頷きはしたものの・・・。
と次の瞬間立ち上がったガイドがチケットの交渉を開始、電光石火の早業で手に入れてきてくれたのである。コレには嬉しいというよりも驚きという感情が先に来て、本当に何もしゃべる事ができなかった。
練習開始まで少し時間があったので地元の人のサンバ隊などを見学していると、セレソン関係者の車がやってきたではないか。しかもそこには見慣れた顔が・・・。「おいチケットはあるのか?」「今待っていろ、VIP席で見られるように交渉してやるから・・・」とまあこんな感じであっという間にダフ屋から仕入れたチケットがムダになり、堂々とVIP席へと通されたのである。
なんという幸運。立ち見ながらもピッチに肉薄するような絶好のポジション、せっかくダフ屋から手に入れてくれた彼には悪いがやっぱり最高のシュチェーションでセレソンの練習を見学することができた。
この日はフルミネンセのユース(?)チームが対戦相手のゲーム形式。いきなりフルミネンセに先制されるシーンがあったものの、今違った意味で時の人ロナウドなどのシュートでゴールショーの幕開け。結果的には13-1でセレソンの勝利(当たり前か)した。
(主力組が出場した前半終了後エメルソンとロナウドはピッチを3周程して引き上げていった)
それにしても試合途中から急激に降り始めた雨のせいで、スタンドを覆っていた5000人くらいのファンは最終的に500人程度に、そしてチケットがない多くの人が観戦していた小高い山の上には最後はひとりだけという有様に・・・。もちろん全身ずぶぬれになったのはいうまでもない。
ちなみに、ずぶぬれになりながら声援を送っていたVIP席の数人は練習試合終了後にサインに応じてくれる一幕もあった。(さすがVIPの特権)カフーの場合はブラジル人のオネエちゃんの思わずふきだしてしまう可愛らしい野次の甲斐があってやってきたという感じだ。(それにしてもこのオネエちゃん二人組はおもろかった)
その他にもシシーニョ、ジルベウト・シルバなどが雨の中声援を送ってくれていたファンに気軽にサインに応じてくれた。私はというと?あまりの寒さにそれどころではなく、デジカメでその風景を収めるのが精一杯だった。
ずぶ濡れになりながら最後まで練習を観たあとはスイスの名物チーズフォンデュのレストランへ。昨年のドイツ(コンフェデレーションズカップ)以来の再会を祝して大いに盛り上がった。
バーゼル・ヤコブスタジアムはブラジル一色、地元スイスのファンもルツェルン選抜よりはどう観てもセレソン贔屓の感は否めない。途中、なぜ日本人が?という事でブラジルのマスコミの取材を受けたが、特に例外ではないようだった。
試合は親善ムードたっぷり中行われ、セレソンのゴールラッシュに沸いた。そのゴールシーンの中でも特に圧巻だったのがジュニーニョ・ペルナブカーノのFK、隣に座っていた人が「バブル」とまで表現したそのボールの軌道はまさに魔球とも言えた。
さて、スイス合宿での人気ナンバーワンはもちろんロナウジーニョ。この試合でも試合前の入場の際に「前半終わったら(ユニフォームを)交換しようぜ!」という密談が行われていたのだが、前半終了後には彼のユニフォーム目当てに数選手が彼の下へ・・・。しかし、ここはさすがロナウジーニョ、最初に密談していた相手を探し出し「彼と最初に約束していたから・・・」と律儀に交換するあたりはやはりその憎めないキャラクター通りといったところか。
昼頃に起床して一路ジュネーブへと急いだ。日本ではジュネーブとして知られる都市は現地ではジェニバと呼ばれている。ジェニバへつながるアウトバーンはまさしくアルプスの絶景だらけ、雪が残るアルプスの山々、水色に光輝く湖、その間を200km近いスピードで一気に駆け抜けていくのは壮快以外のなにものでもない。
さて、今日のスイス対イタリア戦の注目は両チームの仕上がり具合とドイツの隣国でもあるスイスのワールドカップ熱を体感することにあった。そしてスイスといえばワールドカップ予選などで見かけるスタジアムを埋め尽くす国旗の数々、それもそのはず国旗は全席に無料で配布されるのだからだ。しかも国旗だけでなく、SWISS.comなどのスポンサーから無料で配られる応援グッズも多く、それを観客全員となるわけだからとにかく迫力満点なのである。それにしてもスポンサーはかなりの太っ腹、応援グッズも日本ではないような斬新なものばかりでこれをもらっただけも充分満足できるものだった。
試合は序盤にイタリアが先制、スイスがすぐに同点とするも、その後は両チームともに決め手に欠き、やがて試合は荒れ模様に・・・。ガットゥーゾは負傷退場、他にもヒジうちは当たり前とばかりにラフプレーの嵐。特にトッティなどはかなりご機嫌斜め、ストレスのたまり方は尋常ではなかった。スイスの組織的な闘いぶりが目立つものの試合は1-1のまま終了。
試合内容はイマイチながらも、国際試合を前から二列目の好位置での観戦出来たことを素直に喜んでいた。そして、試合後のレストランでスイス代表のヨハン・フォンランテン(EURO2004で史上最年少ゴールを記録した選手)に遭遇する幸運にも恵まれた。私の着ていたユニフォームをみてかなりのスイスファンだと彼は勘違いしたようだったが、とにかくフォンランテンには早くケガを治してもらって2008年のEUROで大暴れして欲しいものである。
昨日深夜にジェニバより戻り、午後から行われるヴェギスでのセレソンの練習を見学に・・・。とその前にセレソンのホテルの前を通ってみる。しかし、ホテル前は当然厳重な警備体制、結局は少し離れたところに車を止めて中の様子をうかがってみるが、さすがに動きはなく近くのホテルのレストランで食事をすることにした。
食事をしていると昨年のコンフェデレーションズカップでお世話になった人が次々とやってきた。あの藤原清美さんと同行しているカメラマン、ラジオ局のレポーターの面々と入れ替わりにやってきては再会を喜び合った。「オイ、ポルトガル語しゃべれるようになったのか」とか「昨年はサンパウロの試合で東京と横浜に行った」とか、たわいもない話だったが、相手にしてみれば「(こんなところまで来るとは)本当にお前も好きだね~」という感じだったのだろうか? 何はともあれ、彼らから(練習を観る為の)プレスシートのチケットを頂くことに成功、今日は存分に見ることができるとあって喜びながら練習場へ向かった。
しかし、その途中先日もお会いしたセレソンのスタッフの方に呼び止められ「オイ、今日もVIP席でみせてやるから、チョッと来い!」と・・・。ということで、今日もVIP席で観戦する事になった。
さてこのVIP席、どのようなものかというと実は椅子などはない立見席。ただ、抜群のみやすさとバーが後ろにあるためにドリンクや軽食はすぐに口にすることが出来る上に、練習後にはサインをしてくれる確率の一番高いスペシャルシート(椅子はないけども)なのである。しかもウェルカムドリンクつき。
VIP席での観戦となった今日の練習は、主にカウンター対策に時間を費やされいよいよ本番モードに入ってきていることをうかがわせた。カウンター対策のあとは、セレソン恒例のぺラーダで締めくくり、しかしながら、この日も練習途中で土砂降りの雨が襲ってきた。聞くところによると今年は例年と比べても異常気象のようで、これだけ雨が降るのは珍しいそうだ。とはいえ「山の天気は変わりやすい」というばあちゃんの言葉(?)どおりに、ずぶ濡れになりながら先ほど食事をしたホテルへと戻った。
冷え切った体をコーヒーで温めながらしばらく談笑、ただ鼻水がとまらず・・・、どうやら風邪をひいたようだ。6月だからという事で軽装で来たのが失敗だったようだ。帰りの車の中では鼻をズル、ズルと。
寒い、あまりにも寒い。
昨日風邪でダウンしていた私には拷問のような寒さ。98年に日本代表がユーゴスラビア代表と親善試合を行ったこのローザンヌ行きを楽しみにしていた私には少し面食らった。
会場でもあるローザンヌ・オリンピック・スタジアムはかなり老朽化しており、TVカメラマンなどはスタジアムの屋根の上で撮影するなど、もはや限界状態。しかしながら、やはりオリンピック・スタジアムという事だけあって、そう簡単に修理や改修などはできないようである。
試合前に食事をしていると後ろから「ヒデ!ヒデ!」と声をかけられた。その声の主のイタリア人と少し話してみると、彼は日本大好きのローマ人、ローマといえばそうASローマでスクデットを獲った中田ヒデというわけである。彼は日本にきたこともあったらしく「東京は大好きな街だ。とてもビューティフルだからね。」と話してくれた。
出発前から楽しみにしてきたこのイタリア対ウクライナ戦、しかしながらその期待は脆くも崩れ去り、スコアレスに加えてお寒い内容の試合となった。ちなみに一緒に観戦したイタリア人の友達などは試合中もイライラから席を離れっぱなし、先日のスイス戦同様今後に心配させるお寒い内容に大いに不安を覗かせる結果となった。
その一方で両チームのサポーターの注目の的でもあるアンドリー・シェフチェンコはこの日は欠場、タクシーでスタジアムへ来た時に偶然目の前を通り過ぎていったのを目撃したのだが、試合中はスタンドの中で観戦していたようだ。その後、ハーフタイムの時少し顔を出したが、やっぱりスーパースターだけあってあっという間に野次馬の輪ができ、彼もすぐに引っ込んでいってしまった。
試合後は、ローザンヌ市内のバーで地元ギャルを交えて大いに盛り上がり、「(イタリア対ウクライナ戦は)バッドゲーム・アンド・(このバーでのギャルとの交流は)グッドゲーム」を連発していた。(やっぱり国際親善?の大切さを痛感した)
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お昼頃に明日最後のトレーニングマッチの会場ジュネーブへと移動するセレソンに別れを言う為にヴェギスへ向かった。連日晴天、その後の土砂降りの雨というクレイジーな天気に悩まされ続けたが今日もこの時点では天気は良好、練習場近くのブラジル料理店(というかブラジル料理店しかない)でエンパーダとガラナ・アンタルチカで軽い昼食をとった。
とその食事中、爆音を響かせてヘリコプターからパラシュートで練習場のピッチの中に乱入する人を発見した。もちろん警備の人にすぐに外に追い出されたが、その人物を見てビックリ。セレソンの有名サポーター・ガウーショではないか。やがて、こちらを見て気付くと 「よく来たな!」と、まるで自分の子供のように頭をなで回してくれた。(オレ、もう30過ぎているですけど・・・)今日はいつも持っているワールドカップトロフィーはなし、すっかり有名人となっている昨今記念撮影をねだられ大忙しのようだ。
とりあえずドイツでの再会を約束、その後すぐにスイス対中国戦の行われるチューリッヒへと向かった。今日のこの試合はスイスにとってワールドカップ前の最後のテストマッチ、しかも同組の仮想韓国として呼んだのは中国とあって、すれ違う人に「チャイニーズ?」とか「コリアン?」とか話しかけられなぜか人気者になっていた。東洋人はすべて同じ顔に見えるようだ。
試合は若手主体の中国をスイスが終始圧倒したものの、攻撃陣がなかなかチャンスをものにできずにややじれた展開。最終的にはアレクサンデル・フレイの活躍もあり中国を撃破試合は3-1で終わったようだ。(というか試合終了を待たずに席を立ってしまった)しかも、キックオフ前、前半終了間際そして後半途中から、物凄い睡魔が襲ってきてしばし夢の中の世界へ・・・。ハードな移動の連続と暖かい気候のおかげでよく眠れてしまった。
明日のブラジル対ニュージーランド戦の行われるジュネーブ行きを前に英気を養おうと、シュラスコ・レストランに行くことになった。ここ数日すっかり食欲が落ちていたのだったが、目の前でしたたり落ちる肉汁を眺めていると食欲も復活、むさぼるように平らげていった。
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ヴェギスでのキャンプを打ち上げ本番モードへ突入するセレソン、この日はそれと同じ様にそのままドイツへ流れ込むであろうブラジル人サポーターも多数占めていた。それは前のルツェルン選抜戦とは明らかに異質で、お祭りムードというよりはより真剣さが出てきたといえるかもしれない。サポーターのボルテージも段違いである。
セレソンのスタメンは監督のパフェイラが公言している通り不動のメンバー。当然のことながらワールドカップ初戦もこのメンバーでまず間違いなさそうだ。キックオフ直後から試合はほぼハーフコートマッチが展開され、その中でも前の試合で先制ゴールを決めたカカーの動きが目立った。一方、不安視されている守備陣もエメルソンが守備ラインに入ってカバーする万全の体制、ファンも次第にフィットした感もありカウンター対策も充分に合格点の内容だった。
待望の先制点はなんとロナウド。前の試合でもほとんどボールが収まらず四苦八苦していた彼のゴールは、その得点の内容は別にしてもなんとも心強いものだったに違いないはずだ。しかしながら、順調に進んでいた試合途中でアクシンデントが発生した。ロナウドがベンチに向かってと強い口調で話している。ゼスチャーを見るところスパイクが合わないから別のものを持って来いということのようだ。しかし、一度違うスパイクを履いてはまた駄目と交換する始末で、結局は3度くらいは履き直したのだろうか、再びピッチに戻ったころには前半も終了間際だった。実はこの試合を前にセレソンのスタッフ何人かはすでにフランクフルトに入ってワールドカップの準備を進めていたのだ。という背景もあり、連携不足の影響からかすぐに対応できなかったようだ。原因は「靴擦れ」らしく、ロナウドは前半でベンチへと退いてしまった。
追加点はアドリアーノの左足、前の試合ではスタメン組で唯一フル出場するというある意味罰を受けた彼もロナウド動揺コンディショニングに苦しんでいるが、それでも頼れるエースの片鱗をみせた。そして、現在絶好調のカカーが続いた。ハーフウェイラインからドリブルを開始した彼はあっという間に相手ゴール前へ、GKとの1対1も難なく沈めるスーパーゴールを決めたのである。中だるみ状態もあったが、この得点の瞬間にはスタンドはもちろんスタンディングオベーション、チームメイトからも手荒い祝福を受けていた。
そして、ゴールショーのトリはジュニーニョ・ペルナブカーノ、彼もロビーニョ同様コンディションも最高潮、相手DFと入れ替わるようにして抜け出し右足で豪快に叩き込んだ。さすがはフランスリーグの王者リヨンの絶対的エース、ロナウジーニョに代わってカルテット・マジコの最後を締めくくった。
試合後には、後半から出場した選手と控え組はゴールラインから反対サイドのゴールラインまでダッシュするのが恒例なのだが、彼らが通り過ぎていく脇ではキャプテンのカフーがマスコミ対応に追われていた。「楽な試合などはない」と公言しながらも、その表情からはどことなく余裕すら感じ取ることができた。
セレソン・ブラジエイラ、ドイツへ向けて出陣!
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チューリッヒからジュネーブまで一気に車を走らせたため予定よりも早く到着、試合5時間前なので早すぎたかと思いきやすでにいたるところでサンバを興じる輪ができていた。そして、陽気な踊り、そしてあの有名な応援歌
「Eu sou Brasileiro
com muinto orgulho
com muito amor 」
の大合唱だ。歌詞を日本語に直訳すると思わず赤面してしまいそうだが、シンプルで力強さを感じてしまうのは不思議に思えてしまう。
試合開始2時間前くらいになるとスタジアム周辺は身動きが取れないほどになっていた。しかも、来る人のほとんどは全身黄色と緑で統一され、スイスに入ってから一番の強い日差しとのコントラストが異常なまでに眩しかった。
その中でももっとも目を引いたのはこのご婦人。身長の倍以上はあるであろう巨大フラッグを手に抱え、黄色と緑のワンピース、ポシェットはブラジルの国旗、アクセサリー多数、帽子はフルーツの盛り合わせというセレソンの試合以外では着ないであろう勝負服での登場だ。
(この日の気温はおそらく30℃近いはず・・・。さすがに暑そうで、やや元気がなかったのは気のせいか?)
まるで仮装行列のようなこの光景、ワールドカップがもうすぐやってくるのだという実感と「早くワールドカップを・・・」という待ち切れないファンの心情が表現されているかのようであった。
スタジアム周辺の興奮をそのままにスタジアム内はより熱気を帯びていた。練習で顔を出したロナウジーニョには奇声交じりの歓声が鳴り響き、カカー、ロベルト・カルロスそしてロビーニョといったスター選手に対してもそれに呼応した。しかしながら、ロナウドの登場の時だけはブーイング交じりのやや失笑にも似た歓声があちらこちらで聞こえた。新聞報道などで報じられている通り、ポコッと膨れ上がったお腹はまるで現役を引退した選手が草サッカーを興じているような姿で、誰の目からみても調整の遅れ、太りすぎの感は否めなかった。
試合開始前にはヘリコプターから試合で使用されるボールを落とすという演出などもあったが、やはり注目はこのブラジル対ニュージーランド戦、大画面に入場前の選手たちが映し出された瞬間にはピッチで行われている演出そっちのけで、観客は全員立ち上がり「早く試合をはじめろ!」という拍手と手拍子の大合唱が沸き起こったのだった。
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