8時起床。あやぴーも目を覚ましたので、一緒に腹筋体操、ヨガ、顔面体操などをやった。その後、フェイスケアをしながら、あやぴーと神経衰弱をし、その後はBatailleというお義父さんが教えてくれたカードゲームをして遊んだ。栗も9時には起きた。窓を開けてテラスに出てみると、昨日よりずっと天気が良い。乾いた洗濯物を取り込んだ後、朝食を取りに行くことにした。
昨日と同じカフェで昨日と同じ席につく。マダムが「元気?」とギリシャ語で聞いてきて、元気な時は「カリ」と答えると教えてくれた。今日はまだクローリ(輪っかのパン)が届いていないそうで、焼いている途中というパン・オ・ショコラを3つ頼むことにした。飲み物は昨日と同じ。栗とあやぴーがオレンジジュースで、私はコーヒー。
次々とテラスに若い女の子達が集ってきた。フランス同様、水曜日は学校がない日なのだろうか。クレタ島に来てから思っていたことなのだが、ここの若者は、男の子は男の子のグループ、女の子は女の子のグループという風に男女別々に集っていることが多い。栗は男女混合のグループが当り前という環境で育っているので、すぐに違いに気がついた模様。私は日本での学生時代、男女混合ではなく、女の子だけで出かけることの方が多かったけどな。。。
しかし、今日は男女混合のグループもあった。椅子が足りなくて友達のひざの上に座る女の子、自分で自分のギャグに笑っている男の子、女の子の熱い視線を一身に浴びる男の子など、「多少の違いはあれど若者はどこの国も一緒だな。」と栗は頷いていた。私も、グループの中に道化役の男の子がいるのを見て、「栗の若い頃はこうだったに違いない。」と頷いた。(笑)
それにしても日差しが気持ちいい。カーディガンを脱いで半袖になった。のんびりと朝を過ごすのはバカンスならでは。幸せを感じる。今日もマダムにピクニック用のサンドイッチを作ってもらうことにした。一旦ホテルに戻って身支度。忘れないうちにホテルの支払いを済ませておくことにした。本当はここには2,3泊の予定だったのだが、気候が良く、自然の多い南を離れるのは残念に思い、4泊することにした。ハニアに戻っても同じ料金では今のような素敵なホテルには泊まれないし。。。
栗が支払いをしている間、私はテラスで日記を書き、あやぴーはお絵かきをして過ごした。太陽の光が体を照りつける。真夏のようだ。今日はビーチに行ってのんびりすることに決める。
食後、太陽が雲に隠れて肌寒くなってきたので、水着の上にTシャツを着た。あやぴーは相変わらず貝拾いに夢中で、栗もひたすら岩礁の上を観察していた。再び太陽が戻ってきたのでTシャツを脱いでまた水着になった。今度はマスクとチューバをつけてシュノーケリングをしてみることにした。持参した固いパンを小さくちぎって左手に持ち、右手に水中カメラを持って水の中に入った。さっきより水が冷たい感じがしたが、えいやっと潜った。
うわーっ!小魚がたっくさん!!そこら中にめだかのような小魚が泳いでいた。そして、それよりちょっとだけ大きな魚、中くらいの魚、色々な子がいた。一番多かったのはクレタ島でよく見るレインボーカラーをした格子柄の細長い魚、そしてニースでも見るアジのような魚。長いこと見ていなかった蛍光色の線が入った細長い大きな魚や、まぶたを閉じたような目をしている茶色の大きな魚もいた。せっかくなので水中インスタントカメラで撮影していたのだが、パンもあげなくちゃと思い、水でふやけだしたパンを手でくずしてみた。すぐにたくさんの魚が集ってきたが、アジのような魚をのぞいては、私に近づくものは誰もいなかった。パンをあげ終わったところで陸に戻る。太陽が雲に隠れてしまったので少し寒い。
栗はまだ岩の上にいて、岩陰や岩と岩の間にいる生き物の観察に励んでいた。あやぴーは大声でおしゃべりしながらパパの回りをウロウロしていた。静かで幸せな午後。栗がとうとう意を決して泳ぐことにした。あやぴーと私は陸に残り、浅瀬から魚にパンくずをやった。水が透明なので、上からでも魚が見えるのだ。大きな魚も食べに来てくれたので楽しかった。
雲が段々と空を覆ってくると、なんだか寒くなってきた。あやぴーが退屈し始めたこともあり、荷物をまとめて、散策を続けることにした。岩を登って道を続けていくと、向こう側にビーチが見えた。岩と岩の間をまたぎながら、慎重に進んでいく。途中で崖のような場所もあって緊張したが、なんとかビーチに到着。ここも誰一人としていない。更に先を進んでいくと洞窟があった。中に入って行ったのだが、洞窟の先は海になっていて、それ以上進むには泳ぐしか道がなさそうだった。一旦道を引き返して迂回することにする。
デコボコながら車道として使われているらしき道を上り進めてから、適当なところでまた海の方に下りて行った。昔は川が流れていたのではないかと思われる小さな渓谷を下って行くと、また違うビーチに着いた。さっきよりもっと大きな洞窟があったので、栗は大喜び。早速あやぴーを連れて探険を始めた。すると、この洞窟は、さきほど道をあきらめた洞窟の向こう側だったことがわかった。休憩をする私の横で、栗とあやぴーは岩をよじ登ったり、飛び降りたり、忙しく動き回っていた。
洞窟探険を終えてから、更に歩き進んでいくと、今度はもっと広いビーチがあった。やはり誰もいない。その先に小さなチャペルがあったので、そこまで歩いていこうかと思ったのだが、そろそろあやぴーが疲れてきていたのと、あまり遅くなると帰りが心配なのでチャペルは諦めることにした。その代わり、上の方に見える洞窟まで行くことにした。海を背中にして、坂道を登っていく。途中で悪臭が鼻をつき、周りを見回すと、ヤギか羊かと思われる動物の屍を見つけた。体にはもうほとんど肉はなくて、骨が見え始めていたが、足にはちゃんとひづめが残っていた。自然は美しいだけじゃない。これもまたひとつの顔なのだ。私の頭の中では、自分が食べるお肉のことや、人間が自然の中の一部にしかすぎないということなど、色々な考えが駆け巡った。最初は気持ち悪いと思ったけど、段々とそれが自然なのだと思うようになった。生を受けたものには必ず死があるのだ。
太陽の日差しがまぶしい中、水を飲みながら道を登り続けた。ようやく洞窟に到着。ところが、そこはただ単に羊のえさ場であった。がっくり。しかも、ここにも死骸があってなんだか臭い。早々に切り上げ、帰途につくことにした。道を進んで行くと、昨日も通った車道にぶつかった。これで心配はない。ガソリンスタンドを通ると、昨日と同じように工事をしていた。「ここの工事の人達、昨晩のレストランに後から来てたんだよ。」と栗が言った。へぇ、全然気付かなかった。
スファキアに到着。バス乗り場近くの公園にあやぴーを放牧した。あやぴーは久々の遊具に大喜びだった。栗と私はストレッチ。その後、スファキア名物のスファキアン・パイを食べてみることにした。食事の後はいつもおなかいっぱいでデザートが食べられないから、ちょうど良いチャンスだと思ったのだ。今日はよく歩いたし。いつも朝食をとっているカフェに行き、ダメ元でマダムにスファキアン・パイがあるかどうか聞いてみた。するとあると言うので大喜び。ここで頂くことにした。栗とあやぴーはフレッシュ・オレンジジュース、私はフラペ(アイスコーヒー)をパイと一緒に注文した。
出てきたものを見てびっくり。パイと言うのでタルトみたいなものを想像していたのだが、全然違っていた。クレープのようなパンケーキだったのだ。上にはハチミツがたっぷりかかっている。なかなかおいしそう。ナイフとフォークを持って切ってみると、中にカッテ―ジチーズのようなものが詰まっていた。先に一口食べた栗が微妙な味だと言うので、私も食べてみた。中のチーズは多分山羊のフレッシュチーズなのだろう。味が非常に強くて(+臭くて)、そこにハチミツの甘さが絡まると、確かに不思議な味がする。しかし、一旦味に慣れてくると、これはこれでおいしいと思えるようになってきた。ともかく、食べてみたかったものなので、試すことができて大満足だった。
一昨日立ち寄ったIligasビーチを通り過ぎ、更に道を進んで行くと、「E4 Sweet Water Beach」と書かれた看板があった。ここ、ここ!車道を離れ、E4の山道に入っていった。岩肌の山を下るには狭くてジグザグの道を歩かなければならない。崖っぷちも何ヶ所かあって、手に汗を握りながら慎重に歩いた。その後も、岩と岩の間をよじ登ったり、下りたりと、なかなか体力を使う道。そして、とうとう道自体がなくなってしまった。仕方ないので、時々目に入る黄色と黒で記されたE4の目印をたどりながら、適当に岩場を歩くことにした。あやぴーは大変だろうと心配したが、楽しんでいるようだったのでホッとする。
ビーチに到着したはいいが、まだもう少し、岩をよじ登ったり下りたりを続けなければならなかった。いい加減嫌になってきたところで、ようやく広い静かなビーチが現れた。ここがSweet Waterビーチなのかなぁと栗と話していると、砂浜に丸い井戸のようなものが掘られていて、中に水が入っているのが見えた。水の周りに囲いがしてあって、大きな石にペンキで「No Drink Shower Only」と書かれている。湧き水の出る浜辺、、、Sweet Waterビーチはどうやらここらしい。
あやぴーは置いてあったジョウロを手に取ると、井戸の中の水を汲み、近くにあった木に水をやり始めた。ビーチを歩き進んで行くと、また井戸があった。海水の近くで淡水が出るなんて本当に不思議。。。
私達はビーチの真ん中あたりに腰を下ろすことした。あやぴーは山羊がいるのを見ると、早速エサをやり始めた。ダメだって言っているのに木から葉っぱをちぎっている。山羊達は届く範囲の葉っぱは全て食べ尽くしたようで、あやぴーの周りはまたたくまに山羊だらけとなった。あやぴー、大喜び。ますます張り切って葉っぱをあげていた。栗と私はビーチに大の字になった。空がびっくりするほど青い。ここまで歩いてきて良かった。上半身をひねると、ボキッと音がした・・(笑)。
私は水着に着替えて海に入ることにした。冷たいけど気持ちいい!水が透明で海底に石がごろごろしているのがよく見える。波があったので沖には出ず、ビーチに沿うようにして泳いだ。体が慣れてくると、それほど水が冷たいとは思わなくなった。むしろちょうど良い感じ。少し泳いでから、水を上がり、湧き水をジョウロに汲んで体を流した。シャワー代わり。但し、水は冷たかった。。。
そろそろランチにしようと、山羊と遊ぶあやぴーを呼び寄せた。サンドイッチが包んであるアルミホイルを開く。案の定、山羊が寄ってきて、私達の食べるサンドイッチに興味津々。取られてしまわないように気をつけながら食べた。
全員の食事が終わったところで古いパンを取り出し、山羊達にやった。しかし、あやぴーはパンには興味を示さず、自分でジャンプして木の葉っぱを取り、それを山羊達にやる方が楽しいようだった。山羊達も喜んでいるのか、みんなあやぴーの周りに集っていた。
あやぴーが泣き出したので、切符係のお兄さんがやってきた。何が起こったのかをすぐに理解したお兄さんは、クッキングペーパーと、厚めのビニール袋を持ってきてくれた。そして、座席後部の窓を開けた。あやぴーはしばらく落ち着いていたが、更にもう一度戻した。何も出ないのが余計に辛そう。。。私も薬を飲んでいたにも関わらず、段々と気分が悪くなってきたので、ミント味のチュ-イングガムを口に入れた。あやぴーにもおすそわけ。
バスはようやく山道を出て、高速道路のような立派な道に入った。これで一安心。しばらくすると海が見えてきた。Souda港の看板が見えてきたということは、向こう側はAkrotiri半島。ハニアはもうすぐに違いない。「ハニアまであと14km」という看板が出た。14kmが12kmになり、5kmになり、南に発つ前に立ち寄った公園や、大きな市場が見えてきた。あやぴーの顔にもようやく安堵の色が見えてきた。バスは予定通り8時45分にハニアのバスターミナルに到着した。
ゴミゴミした街、たくさんの人。都会にやってきたのだと驚く。(と言ったら、栗に「大げさな。」と笑われたのだが。)。出発前に泊まっていた宿に寄ったのだが、誰も人がいなかったので、とりあえずインターネットカフェに行くことにした。私達のバックパックを見て、カフェのおじさんが「良かったら部屋もあるよ。」と言うので、私がメールチェックをしている間、栗に部屋を見に行ってもらった。前の宿と同じ値段ながら、こっちの方が設備がずっと良いという。栗に席を譲り、今度は私が部屋を見に行くことにした。あやぴーも一緒。
部屋がずっと広い。その上、明るい。最上階で、2ヶ所にベランダ付きの大きな窓があるのだ。部屋の真ん中にはテーブルセットがあり、電子コンロや流し台まである。棚を開けると、お鍋や食器も出てきた。浴室にはバスタブがある。う~ん、こっちの方がずっといい。私達は前の宿の予約が確定していなかったことを幸いに、この部屋に宿泊することを決めた。
おじさんにその旨を伝え、荷物を部屋に持ち込む。行きのバスで汚れてしまったあやぴーのヨットパーカーと、ぬいぐるみ二つ(ブタブタとムートンムートン。あやぴーの友)をとりあえず洗ってから、朝食を取りに行くことにした。
一時間ほど歩いたところで、遅めのランチを取りに道路沿いの小さなお店に入った。栗と私はジロス・ピタ(ケバブ)と赤ワイン、あやぴーはフライドポテト付きのクラブサンドイッチにコ〇・コーラを頼んだ。ジロス・ピタはやっぱりおいしい~!南部では全く食べなかったので懐かしい味に感激だった。おなかいっぱい!(・・・と言いつつ、あやぴーが残したサンドイッチやフライドポテトを栗と一緒につまんでしまったのだが。笑)
食後のコーヒーを頼むと、お店のお兄さんからギリシャコーヒーか、ネスカフェ(インスタントコーヒー)か、フラペ(アイスコーヒー)かと聞かれたので、栗共々ギリシャコーヒーを砂糖入りで頼んだ。ごまたっぷりのクッキーつき。ジロス・ピタもコーヒーもクッキーも全部おいしかった上に、お勘定を頼んだら12,6ユーロという安さ。びっくりした。ジロス・ピタは1,7ユーロだし、コーヒーに至っては1ユーロもしない。どの街でもそうだけど、観光地から離れると値段がぐっと下がるのだな~と実感した。
あやぴーはと言えば、食後はずっとフランス語で文字を書く練習をしていた。このまじめな性格は誰に似たんだろう。。。(笑)
大満足でお店を出てからは、KISSAMOY通りを続けずに、ビーチ側に入ることにした。既に行った事があるビーチの西側に着いた。せっかくなので、もう少し進むことにし、Kydoniaビーチまで歩いていった。しかし、Kydoniaビーチはシーズンオフのせいか砂浜がゴミだらけ!あ然とするほど汚いではないか。ガッカリ。。。そんな私の傍ら、栗は「ニースのビーチも昔はこうだったんだな~。」と懐かしい顔をしていた。そうなんだ。。。
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昼ご飯を食べたお店
AΘAΛH
ΔOYPOYNTOYΔAKH
EΛENH
KIΣΣAMOY 234
Kissamoy通りを30分ほどずっと歩いて行くと右側。
一見怪しそうな小さなお店だけど、おいしくて安くてお店の人も優しくて感激でした!
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色々な料理を乗せた大皿がやってきた。わ~っ、すごいボリューム!すごい色々!たのしい~!あやぴーに取り分けるも、リクエストは野菜ばかりなので困った。動物性タンパク質をと思い、こっそり肉団子も入れておいたのだが、あやぴーが一番気に入ったのはズッキーニのフライで、何度もお代わりをしていた。一方、私が気に入ったのは野菜のケフテデス(お団子)。ミント入りでさっぱりした味なのが良かった。ハウスワインの赤もなかなかおいしい。
商売根性たくましいお店の人達ではあったが、何を勧められても、こちらが断れば良いだけの話なので、それはそれで楽しいやりとりだった。(ちなみに、隣に座ったイギリス人夫婦は盛り合わせを頼まなかったため、お店の人達の態度が私達に対してとはあからさまに違っていた。。。)
おじさんがあやぴーにとフライドポテトを一皿持ってきてくれた。じゃがいもで作られた素朴な味で、あやぴーも喜んでいたのだが、揚げ物が多いので参ってしまった。作りおきを温め直したと言う感じのものが多かったし。。。
食事が済むと、おじさんがサービスだと言ってフルーツを持ってきてくれた。洋なしとオレンジ。そして、ラキ(食後酒)がテーブルに置かれた。ラキはおいしい。その上、アルコール度が強いので、カーッとして消化に良さそう。
お会計は、盛り合わせが25ユーロ、ハーフワイン4ユーロ、あやぴーのミネラル・ウぉーター1ユーロ、プラス席料(パン代)1人1ユーロで3ユーロ、合計33ユーロ。私がボッタクリと憤慨していたAgia Roumeli(アジア・ルーメリ)での晩餐より高かった。しかも、これまではあやぴーの席料をカウントしないお店ばかりだったので、1ユーロとは言え、ちょっと気になった。故に、このお店にはチップを置かないことにした。普段は「どんなお店にもチップを置くのが礼儀」と言って譲らない栗も、今日はさすがに納得してくれた。帰り際にTAMAMに寄り、明日の晩の予約をした。
宿に戻り、歯磨きをして就寝。今日は長い一日だった。明日はクレタ島での最後の一日なので、のんびり過ごそうと思う。
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レストラン
PARADOSIAKO
25, odos Theotokopoulou
できれば避けた方が良いお店です。(苦笑)
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少し歩き続けた後、ふとビーチを見下ろすと、一人のご老人が目に入った。水着姿のおじいさん。ひと泳ぎしてきたらしい。野良猫がおじいさんの足元でじゃれている。おじいさんはしばらく野良猫と遊んだ後、小石を拾って海へ投げた。その小石は、海面を何度か跳ねてから海の中に落ちていった。青くて静かな海の中へ。なんだか詩的なシーンだった。「僕もあのおじいさんのようになりたい。年を取っても人生をシンプルに楽しめるような人になりたい。」と栗が言った。そのセリフに、私も大きく頷いた。
あやぴーがおなか空いたと言い始めたので時計を見ると、もう12時半を過ぎていた。どこで昼食を取ろうかと考え、南に出発する前に食事をした1821広場にあるタベルナPlatanosへ行くことにした。白いエプロンをつけたおじさんが、「これ、良かったら味見してよ。」とズッキーニの花にライスや野菜を詰めたものを出してくれた。おいしい!昨晩ツーリスト向けのレストランで、たくさん揚げ物を食べたせいで、胃が重い私達にはありがたい一品。せっかくなので、一皿お願いし、あとはいつものようにギリシャ風サラダとジャジキ(きゅうりのヨーグルト風サラダ)をオーダーした。胃が重いのでランチはこれで十分。飲みものは赤ワインをハーフで頼み、あやぴーにはフレッシュオレンジジュースを持ってきてもらった。店名にもなっているプラタナスの木の下で、のんびりおしゃべりしながら食事を楽しむ。あやぴーは食事が済むと広場を駆け回って遊び、栗と私は食後にフラペを飲みながらおしゃべりを続けた。バカンス中は四六時中顔をつき合わせているというのに、話がつきないのが不思議。。。気が付くともう3時近くになっていた。ビーチに行かないといけないので、あわてて店を後にした。
港を通り、海沿いを歩いて、昨日同様ハニア西部のビーチに行く。途中でものすごくトイレに行きたくなってしまい、どうしようかと涙目になったのだが、幸いプールがあった。栗が中に入るとギリシャ人に身振り手振りで聞いてくれ、その結果、プール内のカフェのトイレを使わせてもらえることになった。栗に感謝。そして、カフェの人達に感謝。(涙)
まもなく、目の前に次の宿泊地スファキアが現れた。スーヤより、アジア・ルーメリより、ルートロより、ずっと大きそうである。というのも、海辺だけでなく、丘の上にも建物が見えたからだ。それでも、私達の住むコートダジュールに比べれば、建物の密集度はずっと低い。どんな村だろう。ホテルはどうだろう。心が躍り始めた。
ホテルは船着場から一番離れたところにあるHotel Xenia。途中で郵便局があったので、中に入って切手を買う。フランスへも日本へも同額だそうで、一枚65セントだった。通りには既にクローズしているホテルやお店もあったが、それでも今まで滞在した村の中では一番活気がある感じ。スーパーが3軒、パン屋もある。
ホテルに到着。ホールに入っていくと、男性が迎えてくれた。昨日電話をしたものだと告げると、すぐに思い出したようで、部屋に案内してくれた。2階の106号室。部屋自体はそれほど大きくないが、ダブルベッドとシングルベッドが1つずつあり、大きな洋服たんす、棚、鏡、机、テレビ、冷蔵庫と、必要なものは全て整っていた。床は大理石。壁は石っぽい感じで、素敵なキリムの織物がカーテン。なかなか良い感じの部屋である。トイレとシャワールームは別々で、その上広い。海の見えるテラスもあって、ウッドテーブルとウッドチェアーが置かれていた。久しぶりのテレビにあやぴー大喜び。(笑)
私は早速洗濯。洗い終わったものは、目立たないようにテラスに干した。栗は受付のおじさんから身分証明書の提示を求められ、私が洗濯している間に渡しに行った。
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Hotel Xenia
(船着場からまっすぐ海沿いの道。一番奥。)
tel.28-25-09-12-02
fax.28-25-09-14-91
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午後1時。そろそろランチの時間である。朝食が寂しかった分、レストランでしっかり食べようかと思っていたのだが、船で一緒だった若者達が、ホテルのそばのカフェでサンドイッチを食べていて、「おいしいよ!」と言うので、私達もそこでサンドイッチを食べることにした。海側のテラス席に座る。ハム、チーズ、トマトが入った大きなバゲット・サンド。ゴマがびっしりついたパンがおいしい。飲み物には、あやぴーがフレッシュ・オレンジジュース、私はフラペ(アイスコーヒー)をお願いした。栗は白ワインをグラスで。白ワインの後味がしょうゆに似ていたらしい。そんなことないと思うんだけど。。。(笑)
おいしそうなデザートがショーウインドーに並んでいたので、試してみることにした。栗はミルフィーユ、私はバクラヴァ。バクラヴァはアーモンドとシナモンが入ったミルフィーユにハチミツがかかったもの。メチャクチャ甘かったが、おいしい。全部食べると、お腹にずっしり来た(笑)。栗のミルフィーユは、全然ミルフィーユっぽくないのに、ちゃんとミルフィーユの味がするという不思議な代物。
マダムにお勘定を頼むと15ユーロとのこと。何でも高かったアジア・ルーメリとは違って、ここの物価は普通のようだ。フランスのガイドブックには「観光地すぎる場所で、笑顔の人が少ない。」と書かれていたので、ここスファキアに滞在するかどうか躊躇したのだが、とんでもない!ホテルの人も、郵便局のおじさんも、カフェのマダムもみんな笑顔で親切。ここに来て良かった!
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Cafe Pelagos
(海沿いの道)
マダム(デスピナさん)が一人で切り盛りしている家庭的なカフェ。
素朴なサンドイッチが美味!お願いするとテイクアウト用にも準備してくれます。
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一旦部屋に戻ってから、水着とタオルとミネラル・ウォーターをリュックに詰めて再出発。船で来る途中に見つけたビーチまで歩いていくことにした。舗装された道路なので車が危ないが(山道なのにみんな飛ばすの!)、放牧された山羊や羊がいたり、鶏がいたり、人懐っこい野良猫親子がいたりと、楽しい散歩であった。
次は私とあやぴーのシャワータイム。シャワーを終えると、ニースのおじいちゃんと、日本のおばあちゃんに絵葉書を書いておこうと言うことになった。しかし、あやぴー拒否。絵葉書にメッセージなど書きたくないと言う。理由はすぐにわかった。テレビを見ていたかったのだ。「さっさと書けばすぐ終わって、またテレビが見れるよ。」と言っても、「嫌!」の一点ばりで聞き入れないので、腹が立ってテレビを消した。あやぴー大泣き。それでも字を書くのを拒否するので、「絵葉書に文字を書かないなら、明日はテレビを見せないよ。」と脅した。すると、ようやくボールペンを握り始めた。ぐずぐず言いながらも、ニースのおじいちゃんには「Aya, 6ans.」、日本のおばあちゃんには「あや 6さい」とメッセージを書いた。絵も描いてあげたら、おじいちゃんもおばあちゃんも喜んだと思うけど、今日はこれが精一杯みたい。一応文字を書いてくれたので、明日のテレビ権を与えることにした。親と言えども、約束をしたらちゃんと守らないとね。。。
部屋を出て、夕飯へ出かける。郵便局前のポストに絵葉書を投函してからガイドブックに載っていたタベルナNikosに入った。
夕方にビーチですれ違ったフランス人女性を発見。せっかくなので隣のテーブルに座ることにした。お店のマダムがやってきて、メニューを渡しながら、料理できるものを説明してくれた。カタツムリという言葉を聞いたので、私は迷うことなくそれにした。栗はウサギ肉のトマトソース煮こみ。あやぴーとシェアするそうだ。その他にトマトのサラダ、飲み物に地元産の赤ワインを注文した。マダムがガーリックトーストを持ってきてくれた。サービスだと言う。うれしい~。
続いて、カタツムリが出てきた。貝みたいで、全然気持ち悪くない。一口食べてみたら、赤ワインのソースが絶品。おいしい~。この時期のカタツムリは冷凍ものらしいが、それでもクレタ島のカタツムリには間違いなく、長年憧れていた食べものをとうとう口にすることができた。喜びで胸がいっぱい。本当にクレタ島に来たんだとようやく実感した。
ヨーロッパで一番長寿だと言うクレタ島の人達は、普段は野菜中心の生活である。あまりお肉を口にしないことが体に良いばかりでなく、このカタツムリにも秘密があるということだった。貴重な動物性たんぱく質の上に、クレタ島にしか存在しないこのカタツムリにはコレステロールを下げる成分があると言う。テレビのドキュメンタリー番組では、おじいさんが朝一番で森に入り、カタツムリをたくさん捕っているシーンが映されていて、それ以来、「クレタ島に行って、あのご老人のような生活をする。」と言うのが私の中での憧れとなった。野菜を多く摂取し、カタツムリを食べて、毎日たくさん歩く。
でも、実際にクレタ島に来てみたら、そういう食事、そういう生活をするのは、非常に困難だと言うことがわかった。どんな料理にも付け合せは大抵フライドポテトだし、量も多い。あちこちでコ〇・コー〇の看板が目に入り、実際、カフェに入ると絞りたての生オレンジジュースを頼むのは観光客ばかりで、地元の若者たちは、そういった炭酸飲料水を飲んでいる人が圧倒的に多い。太った人が多いのは当然のことだと思った。伝統は消えつつあるのだ。もしかしたら私が探しに来たクレタ島には出会えないかもしれないと思い始めていたので、カタツムリ料理を目にすることができたのはとてもうれしいことだった。
栗が頼んだウサギ肉もおいしかったそうで、あやぴーもよく食べていた。つけ合せはやっぱりフライドポテトだったけど・・(笑)。テーブルに置かれた塩は粗塩。海から取ってきたものかもしれない。
食事が終わると、マダムがラキ(グラッパのような食後酒)を持ってきてくれた。サービスだと言う。おまけに、甘いパンもデザートにどうぞと言われた。シナモン、クローブ、ごまが入ってておいしい。このお店はオープンキッチンで広々としている上に、家庭的な雰囲気。マダムもムッシュー(オーナー)も親切で感じが良く、彼らの家で招待を受けているような気分になった。このお店に来て良かった!
ラキを飲みながら、隣のテーブルのフランス人女性と色々な話をした。クレタ島のこと、ギリシャのこと、私達が住むコートダジュールのこと、彼女が住むパリのこと、、、年に二回ほどこの地を訪れているという彼女から、様々な散歩道を教えてもらった。どうもありがとう。素敵な人に出会えて良かった。
気がつけばもう午後10時。あわてて会計を済ましてホテルへ戻る。歯磨きした後、お約束の神経衰弱をして(私の2勝1敗)、あやぴー就寝。栗はテレビをつけて、K1を見ていたが、私もあやぴーに続いて眠りについた。
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夜ご飯を食べたレストラン
Taverna Nikos
(郵便局のある中央広場)
家族経営の素敵なお店でした。
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最初の便はルフトハンザ航空でニースからフランクフルト。10時過ぎの出発の予定が20分遅れたのだが、時間より早く着いたので驚いた。次のフライトまで1時間ほどあったので、ブラブラして待った。次はフランクフルトからアテネ。エアバス300-600。280人乗りと、ヨーロッパ便にしては大きな機体である。こちらのフライトも30分遅れでの出発だった。アテネには午後5時に到着。フランスとは1時間の時差がある。忘れないうちに時計を1時間進ませておいた。
アテネからのフライトはAEGEAN AIRLINESなので、一旦荷物を受け取ってから出発ロビーに向かった。チェックインカウンターを確認。荷物を預けようと思ったのだが、時間が早すぎると断られた。大きなバックパックにリュックサックを持って空港内を見歩いた結果、2階にある広々としたカフェでお茶をして時間をつぶすことになった。私は1年ぶりにフラペ(アイスコーヒー)を頼む。栗はギリシャ風コーヒー。トルココーヒーのように豆が残っているコーヒーなのだが、一口飲ませてもらったら、この店のはえらくまずかった。私のフラペも4ユーロもする割には甘いだけでおいしくない。空港のカフェだから仕方ないとは言え、ちょっと悲しかった。
あやぴーはお隣にあるマク〇ナルドのキッズコーナーで遊び始めた。おなかが空いたというので、私がフライドポテトを買いに連れて行った。あやぴーはハッピーミールのおもちゃも欲しがったのだが、フランスとは違い、おもちゃのばら売りはしていないとのこと。悪いけどあきらめてもらった。そもそも、食べものを買いに来たんだし。。。
カフェにポテトを持ち帰って、こっそりとあやぴーに食べさせた後、栗と私はテレビを見たり、ガイドブックを読んだりして、のんびり過ごした。あやぴーは机の上でぬり絵。ルフトハンザでもらった色鉛筆とぬり絵カードを使った後、今度はノートを出してお絵かきしていた。
午後7時、ようやくAEGEAN AIRLINESのカウンターに行って、チェックイン。預ける荷物は自分達で別のカウンターまで持っていくようにと言われたため、指定の場所に荷物を運んだ。色々なお店を見ながら搭乗口に進む。そこから用意されたバスに乗って、飛行機まで向かった。機体はAVRO RJ100。小さい飛行機なのに4つもジェット・エンジンがついていると栗は驚いていた。
AEGEAN AIRLINESはヨーロッパで2004/5年度の「ベスト・エアライン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたらしく、機体にそう書かれていた。乗客はほとんどギリシャ人。アテネにショッピングに行っていたのか、どの人も買い物袋をたくさん手に持っていた。結構ご老人もいて、機内は和やかな雰囲気。あれよあれよと間に座席が埋まっていった。どうやら満席らしい。早目に予約をしておいてよかった。。。
ウエルカム・キャンディーが配られた後、10分遅れで離陸。ドリンクサービスが終ると下降が始まり、予定通り50分でハニア空港に到着した。午後9時。あっという間だった。ターンテーブルから栗のバックパックが出てきたのでホッとした。出口に向かう。予約を入れておいたホテルのオーナーから、この時間はタクシーしかないことを聞いていたので、まっすぐタクシー乗り場へ行った。運転手さんがメーターを倒さないので、「ちゃんとメーターをつけて下さい。」と栗が抗議すると、運転手さんは、空港からハニア市内までは夜間料金で一律17ユーロなので、メーターをつける必要がないのだと言った。ほんとかなぁ。。。でも、予め値段が決まっているのは悪くないとも思う。
空港から市内まではほんの十数キロなのだが、1日がかりのフライトの後だからか、ずいぶん長く感じられた。私達の宿がある通りは車の通り抜けができないと途中で車から降ろされたので、チップは渡さないことにした。しかも、運転手さんに「ここから1番目か2番目の道を左折」と言われたので、ずっと道の左側を歩いていたら、大きな広場に出てしまった。どうやら道が違うらしい。あわててガイドブックを広げた。位置確認をすると、私達は「左折」ではなく「右折」しなければならなかった模様。なんていい加減な運転手だろうと腹を立てそうになったが、疲れているのでそれどころではない。早く宿に着きたい一心で元来た道をずんずん引き返した。無事曲がるべき道を見つけ、ようやく宿までたどり着くことができた。
裏通りを散策。港の近くは、裏通りと言ってもブティックや装飾品のお店が多く、やはり観光地の香りがした。あやぴーが疲れたと言うので宿に戻る。本当は栗と二人で今後のプランを練る予定だったのだが、栗もあやぴーと一緒に寝てしまった。仕方ないので、一人で共同キッチンに行き、紅茶を煎れてから、ガイドブックを読んだ。その後シャワー。
栗とあやぴー、午後8時起床。各々シャワーを浴びた後、夕飯に出かけた。昨晩と同じカフェへ行く。混んでいたのだが、室内に一つ空席があったので、そこに座った。今晩もまたジロス(ケバブ)を食べる。それプラス、トマトときゅうりのサラダを頼んだ。あやぴーもジロスを食べると張り切っていたのだが、お肉はほぼ全部拒否だった上、半分しか食べなかったので、栗が怒っていた。飲み物はあやぴーがファンタ・オレンジで、栗と私がフラッペ(アイスコーヒー)。栗はフラッペは食事に合わないと言う。私はそんなことないと思うんだけど。。。ウエイトレスのお姉さんが昨日も来たのを覚えていてくれてとても親切にしてくれた。
食事の後、皮革製品が並ぶSkridlof通りを歩いた。閉まっているお店も多かったのに、強い皮の匂いがした。そのまま港に向かう。昼間の「いかにも観光地」という雰囲気とは一転して、ロマンチックな感じ。あまりの違いに驚いた。暗闇の中に輝く光が素敵で、港を一周した。建ち並ぶレストランのウェイターさんからひっきりなしに声がかかった。私達にではない。あやぴーに、である。ディスコの守衛さんも、さすがに「中に入りませんか?」とは言わなかったが、あやぴーに手を振って、ウインク。「今からこれでは大きくなったらどうなるんだろう。」と栗は一人で心配していた。。。(笑)
ブラブラ歩いた後、宿に戻った。あやぴーは昼寝をしていたにもかかわらず、歯みがきを済ませるとすぐに寝入ってしまった。私達も大まかにこれからの予定を決めてから就寝。今夜はバーからの音楽が聞こえないのでよく寝れそうだ。
しばらく遊んだので、荷物をまとめて更に散策を続ける。ちょこちょこと家はあるが、あまり人のいる感じはしない。15分ほど歩くとまたビーチがあった。やはり誰もいない。腰を下ろして波を音を聞く。静かなひととき。あやぴーは例のごとく貝殻を拾い始めた。「ママ、ここすごいよ。貝殻がいっぱいある!」と言うので、私も一緒に探してみることにした。ある、ある、いっぱいある!きれいな色の貝もある。あやぴーは大きくて平たい石を持ってきて、その上に見つけた石を並べ始めた。その石が貝でいっぱいになると、今度はもっと大きな石を運んできた。そしてその石もまもなく貝でいっぱいになった。お店ごっこのようで楽しかった。その間、栗は気持ち良さそうに昼寝をしていた。
お昼になったので、最初のビーチの方に戻った。ちょうどガイドブックに載っていたタベルナがあった。地元のおじさん達が集っていたのを見て、そこに入ることに決めた。ぶどう棚の下のテラス席に着く。よく見ると、ぶどうの房が大きい。長さ30センチ、横20センチくらいの立体形をしていて、蜂の巣のようだと思った。
中からおかみさんと思われるおばさんがやってきた。メニューを開き、今日作れるものを教えてくれた。とりあえず、トマトときゅうりのサラダとジャジキ(きゅうりのヨーグルト風サラダ)を頼み、それから私はウサギ肉の煮込み、栗は地元産ソーセージを頼んだ。あやぴーには取り分けることを言い、フライドポテトをお願いした。私達の料理の付け合せも山盛りのフライドポテトだったのだが。。。(苦笑)
ウサギ肉の煮込みは、うなるほどのおいしさだった。にんにくのスライスがたくさん入っていたが、全然臭くない。少し取り分けてあげるとあやぴーも大絶賛し、よく食べてくれた。栗のソーセージはいかにも自家製っぽい素朴な味。ハーブの香りも強い。ここスタブロスは「Zorba the Greek」という映画が撮影された場所だと言うので、せっかくだからとZorba(ゾーバ)ビールとやらを頼んでみた。1本500mlだとは知らず2本頼んでしまったので、全部飲みきるのが大変だった(笑)。
食後は栗がネスカフェ、私はギリシャ風コーヒーを頼んだ。ギリシャ風コーヒーは粉々になったコーヒーの豆がそのまま入っていて、ちょっと飲みにくいこともあるのだが、ここのは飲みやすくておいしかった。普段コーヒーにお砂糖を入れない私も、ギリシャ風コーヒーはお砂糖入りでお願いする。栗に一口あげると、「ほんとだ!おいしいよ。」と驚いていた。アテネ空港のカフェで飲んだギリシャ風コーヒーとは雲泥の違いだったとか。これプラス、大きなミネラル・ウォーターも頼んで、お会計は21,80ユーロ。ニースでは考えられない値段である。。。
8時半起床。昨晩は10時半頃ベッドに入ったので、10時間寝たことになる。鳥のさえずりが聞こえてくる心地の良い朝。いつものようにヨガや体操をして一人の時間を楽しんだ。続いてあやぴーが9時頃目を覚ました。フェイスケアと顔面体操を続ける。まもなくすると栗が起きたので、テラスに出て朝食を取ることにした。ガスコンロでミルクを沸かし、栗とあやぴーはココア。私はお湯を沸かしてインスタントコーヒー。食べものはビスケットと苺のヨーグルト。ヨーグルトは濃厚でおいしかった。
ピクニックの道具などをリュックに詰めて、10時半に出発。今日はLISSOSまで1日ハイキング。LISSOSは古代に港として栄えていた街だという。ガイドブック『Guide du Routard』に説明があって、片道1時間半らしいので、子連れでも行けるだろうということになった。
スーヤの村から西に向かって進む。しばらくすると船着場があったので、明日の船の時間を確認した。それから小道に入って行く。赤い丸印と、何重にも積まれた小石が目印。誰もいない静かな道をずんずん歩いていく。途中で山羊の群れに遭遇した。鳥が小動物の鳴き声のようなさえずりをしながら空を舞っている。松の木、オリーブの木、岩肌、青い空、、、南仏に似ているとも言える風景が広がる。野生のクロッカスやシクラメンがあちこちに咲いていて、目を楽しませてくれた。この場所は、古代もこんな感じだったのだろうか、昔の人もこうして歩いていたのだろうかと想像をめぐらせると、登り道ですらいとおしく感じられるのだった。
ようやく山を上りきったので、休憩することにした。日差しが強いので木陰に入って休む。風が気持ち良い。自然しか存在しない美しい景色。遠くには海が見える。しばらく体を休めてから、目印に沿って道を続けることにした山の頂上を端まで歩くと、あとは下るだけなのだが、岩場なので注意が必要。気を緩めないようにしながら降りていった。
対面の山に、古い石造りの建物が見え始めた。あれもLISSOSの遺跡の一つだろうかと話していると、鈴の鳴る音が聞こえた。またしても山羊の集団に出会う。あちこちに山羊がいる。そのうち、LISSOSと書かれた看板が見えた。どうやら到着した模様。上から見た時にビーチがあったので、とりあえずビーチを目指すことにした。
ビーチには北欧系と思われるファミリーが一組いた。全員すっぽんぽん。どうやらヌーディスト・ファミリーらしい。あまり近くに座っては悪いと思い、一番遠い場所に座ることにした。ビーチがあるとは知らなかったので、水着を持ってこなかった私達。だけど、どうしても泳ぎたかったので、裸になって水の中に入っていった。あやぴーもやってきた。栗は体に塩がつくと後でかゆくなるから嫌だといってパス。1時間半歩いた後だったので、水の冷たさがありがたい。さくっと泳いで陸に上がり、太陽で体を乾かした後、ハンカチで水気を拭き取り、すぐにまた洋服を着た。
栗はその間、岩肌をよじのぼり、ビーチの向こう側を見学。山があるだけで、村などは見えなかったらしい。あやぴーが「私もパパと岩にのぼりたい!」と言ったので、初のロッククライミングに挑戦。栗が指導をしながら、高いところまで一緒によじ登っていた。あやぴーはとてもうれしそうだった。
いよいよランチ。昨日スーパーで買ったごまの乗った丸パンに、同じくスーパーで買ったチーズを挟んで、栗がサンドイッチにしてくれた。チーズは子羊の乳から作られたものと思われる。Tomme de Brebisっぽい。美しい景色を目の前に、並みの音を聞きながら食べるサンドイッチは、ごちそうのようにおいしく感じられた。あやぴーもよく運動したせいか、よく食べてくれた。デザートはりんご。
道の途中ですれ違ったフランス人の中年夫婦がビーチにやってきた。私達は全く記憶になかったのだが、昨晩レストランで一緒だったらしい。「可愛らしいお嬢さんだったから、すぐにわかったのよ。」と言われた。ご主人の方は素っ裸になって海に入っていった。奥様は上だけトップレスで。その次にやってきた中年夫婦も男性が素っ裸で女性はトップレス。この二組はピクニックをせずに、人泳ぎすると帰っていったため、ビーチはまた北欧系ヌーディストファミリーと我が家の二組だけに戻った。
栗とあやぴーはまた岩登りを始めた。波の音と、山羊の鳴き声以外は何も聞こえない。静かなビーチ、、、と思っていたら、私達の荷物に近づく影が!!!
それは何と山羊だった(笑)。お腹が空いているのかと思い、りんごの残りかすをあげようと近づくと、山羊はすぐに逃げていってしまった。残念。
午後2時を過ぎた辺りで帰り支度。廃虚跡を見学した後に木陰に入り、休憩を取りながら、出発の準備をした。最初の上り坂が思いのほかキツイ。その上、日差しも強くて、あやぴーは早くもメゲそうになっていた。ちょくちょく休み、励ましながら、山道を登っていく。頂上に着くと、あやぴーの顔が真っ赤になっていたので、あわてて水を飲ませた。しばらく休憩。
頂上では少しの間平たんな道を歩く。誰もいない道。自然しか目に入らない。風が吹いていて気持ち良い。私の歩くペースが速すぎるとのことで、後半は栗が先頭に立ち、その後にあやぴー、最後が私という順番で歩くことになった。下り道は日陰が多くて歩きやすい。ここでも山羊に遭遇しながらのんびりと歩いた。ようやくスタート地点の港の到着。所要時間1時間だった。(行きは1時間半かかったけど)。最後のお水休憩。あやぴーはミネラル・ウォーターのボトルを一気に飲み干した。お疲れ様!
海沿いを村の中心に向かって歩いていく。暑い。夏のような暑さである。途中で海辺のカフェに入り、フラペ(アイスコーヒー)を飲んだ。あやぴーはフレッシュオレンジジュース。太陽の光でキラキラ輝く海を見ながら、静かな時間を過ごした。良い一日だったとうれしい思いでいっぱいだった。あやぴーはしばらくすると絵を描き始め、絵の一つ一つに日本語で説明文をつけていた。意外と勉強熱心。
宿に戻ってから、水着に着替え、即ビーチ!昨日より少し早い時間に行ったせいか、水が温かく、ゆったりと泳ぐことができた。幸せ。今日も栗と交代で子守りをしながら沖まで泳いだ。寒くなってきてからは、石を海に投げて遊んだ。栗は子供の頃から鍛えているだけあって、投げるのがすごくうまい。ポンポンポンポンと石が何度も水面に弾けていた。私はうまく行ったり行かなかったり。あやぴーもとうとう成功し、大喜びだった。
シャワータイム。栗は明日の宿を予約するために、電話をかけに出かけていった。あやぴーと私はシャワーを終えると、神経衰弱で遊んだ。すると、栗が浮かない顔をして戻ってきた。どこも閉まっているという。祝日だからなのだろうか。ガイドブックを見直して、最後の一つのホテルに電話をかけて、もしそこもダメだったら、行き先を変えようと決めた。栗はまた出かけていった。すると、最後の一つのホテルでOKが出た。ヤッター!栗も私も笑顔になった。
宿も決まって安心したところで、夕飯に行く。昨晩のレストランは祝日のせいかお休みだったので、ビーチの中央にあるレストランに入ることにした。猫がたくさんいたのであやぴー大喜び。隣の部屋に滞在しているギリシャ人のご夫婦もいて、あいさつした。
トマトときゅうりのサラダ、ギリシャ風サラダ、ダコス(トーストの上にギリシャ風サラダを乗せたもの)、トマトとピーマンのライス詰め、そしてあやぴー用に野菜のスープ。ここでもガーリックトーストがお通しとして出てきた。今日はハウスワインではなく、ボトル入りのギリシャワイン(赤)を頼むことにした。甘い感じがなく、いわゆる普通のワイン。飲みやすかった。料理は昨日のお店の方がおいしかったけど、このお店も決して悪くはない。トマトとピーマンのライス詰めは家庭的な味がして、とてもおいしかった。お米を食べるのは久しぶりだったし。ミネラル・ウォーターの大きいボトルも頼んでお会計は18ユーロ。やっぱり安い。。。お勘定を頼むと、サービスでラキ(グラッパのような食後酒)を持ってきてくれた。私はラキのおいしさに開眼して、栗よりも多く飲んでしまった。うふふ。
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Taverna Galini
村の中心にあるタベルナ。
可もなく不可もなく。観光客もギリシャ人もたくさん来てました。
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宿に戻ると、あやぴーと栗が歯を磨き始めたので、私はデジカメの設定を見てみることにした。画質を落として、その分枚数を多く取れるように設定し直したかったのだ。ところが!!!
私が何気なく押したボタンが「画像全削除」のボタンで、一瞬のうちに、今までに撮った画像が全て消え去ってしまった。ショック!ショック!ショック~!!!(涙)。何とかできないものかとあちこちボタンを触ってみたのだが、どうやっても取り戻せない。前にもこのボタンで泣いたことがあったのを思い出した。あぁ。。。(涙)
いい年して恥ずかしいのだが、泣いてしまった。。。そんな私を見たせいか、あやぴーも泣き始めてしまい、部屋は大騒ぎ。栗もすっかり困ってしまった。私の背中をさすりながら、「よく考えれば、旅はまだ半分も終わっていない。スーヤの写真は明日の朝に撮れるのだし、ハニアにもまた戻るから写真はいくらでも撮り直せる。なくしたのはスタブロスの分と、今日歩いたリソスだけ。大したことじゃないよ。」と優しく励ましてくれた。ありがとう。。。(涙)
どっちみち、泣こうが騒ごうが、消えてしまった画像はもう戻らない。それに、これまで過ごした日々は、画像がなくても心の中にしっかり焼きついている。思い出がなくなってしまった訳ではないのだ。。
ひとしきり騒いだ後、ようやく諦めがついてきた。今年はやっぱり厄年だと再確認する。デジカメの機能調整はもう二度としないに固く決意し、明日からまた頑張って写真を撮ろうと気合いを入れた。それにしても、何てバカなんだろう。おっちょこちょいな自分がつくづく嫌になる夜だった。。。
昨日は夜に何度も目が覚めてしまった。消してしまった画像のことが頭から離れていなかったのかもしれない。今朝はザザザーッという音で目を覚ました。波の音かと思ったら、どうやら風。今日は船で移動の日なので、ちょっと心配。。。
いつものように、体操、ヨガ、顔面体操、フェイスケアをして、テラスに出た。昨晩干しておいた洗濯物を触ると、全て完璧に乾いていた。よし。早速たたんでしまい、一人でビーチまで行ってみることにした。朝日がきれい。光が海に落ちて、キラキラ輝いていた。風の肌寒さも気持ちがいい。澄んだ空気を思いっきり吸ってみる。静かな朝。。。
なくしてしまった画像を取り戻すべく、何枚か写真を撮ってから部屋に戻った。あやぴーはまだぐっすり眠っていたが、栗は目を覚ました。しかしまた寝入ってしまったため、結局二番目に起きたのはあやぴーで、栗はいつものように最後となった。ガスコンロでお湯、ミルクを沸かし、テラスで朝食。昨日同様、栗とあやぴーはココア、私はインスタントコーヒーを飲み、残りのビスケットを食べた。風があるけど、太陽のおかげで暖かい。
食器を洗った後、荷造りを始めた。栗は最後の買い出し。これから行く村アジア・ルーメリは、サマリア渓谷のトレッキング最終地点で、観光客が多いのと、アクセスが悪い場所であることから、物価が高いとガイドブックに書いてあったのだ。昨日と同じように、サンドイッチ用のパン、チーズ、りんごにミネラル・ウォーターを買ってきてもらう。私は忘れないうちにハニアで買った酔い止め薬Emetostopを飲んだ。(ハニアのところに書き忘れたけど、値段は1,55ユーロ。)
宿を出て、途中でポストカードを買ってから、村の一番に市に位置する船着場に向かった。窓口にギリシャ人の団体がいたため、結構待ったが、ようやく私達の番になった。栗が「アジア・ルーメリまで三枚。大人二人に子供一人。」と注文した。窓口のおじさんから「片道?」と聞かれたので、頷くと、おじさんは私とあやぴーを見ながら、「えっと、大人一人と子供二人だったっけ?」と言ったので、私はあわてて、「違います!子供は一人。私は大人です。」と反論した。それを見て栗が大爆笑。あまりにも大声で笑うので、窓口のおじさんも、並んでいた人達もみんな笑い始めた。も~っ!(怒)
ともかく無事チケット購入。大人3,7ユーロ(2人で7,4ユーロ)、子供1,9ユーロ、合計9,3ユーロ。船は定刻通り10時25分に船着場にやってきた。車も入る比較的大きな船。全員乗せるとすぐに出発した。
スーヤの街がどんどん小さくなって行き、目の前には自然が広がり始めた。ゴツゴツした岩肌の山に松の木が繁っている。大きな山が次々と現れるのを見て、クレタ島がいかに大きな島であるかということを実感した。昨年行ったキクラデス諸島とはやはり全然違う。
船では、最上階のテラス席の中央部分に座っていたので、ゆれを感じることもなく快適だった。あやぴーは絵を描いて過ごし、栗と私はずっと景色を眺めていた。大きな洞窟があったり、突然松林が現れたりと、海から見る島の様子はとても興味深いものだった。
1時間弱でアジア・ルーメリに到着。船着場から予約したホテルが見えたので、すぐそちらに向かった。フランス語がしゃべれるという宿の主人が出迎えてくれたのだが、私達の部屋はここではなく、別のホテルになると言われて、ちょっとがっかりした。泊まるつもりだったホテルは本当に海の目の前だったから。。。
オーナーの息子らしき男の子に連れられ、指定されたホテルに向かった。50メートルも離れていない場所。なんと休業中だった。私たちが唯一の宿泊客らしい。静かなのはうれしいかも。案内されたのは2階の102号室。シングルベッドが3つ並んだ部屋である。窓を開けてみると、ビーチが目の前。テラスもある。部屋の中に置かれていたテーブルセットを外に出し、洗濯物の干し台をセットした。天気が良いので早速せんたく。ここはスーヤより更に暑いような気がする。タンクトップと短パンに着替えてからランチに出かけた。
一旦宿に戻り、水着に着替えてからビーチに行くことにした。ホテルの前のビーチではなくて、10分ほど西に歩いたところにある離れた黒石のビーチ。風があるせいか、意外と波が立っていた。太陽は熱いけど、水は冷たくて、中に入るまでに時間がかかった。マスクとチューバをつけて張り切ってシュノーケリングをしてみたものの、見えたものはいつもと同じだった。アジのような魚と、細長い虹色の魚。それだけ。あやぴーは岩の上に座り、栗と一緒に岩に張り付いた貝を取っていた。岩の上には小さな水たまりがあり、二人はその水たまりの中に集めた貝を入れているようだった。ヤドカリのようなのもいた。子守りをバトンタッチし、今度は栗が泳ぎに出た。貸切状態のビーチでのんびりとした時間を過ごすことができた。
宿に戻ってシャワーを浴びてから、今度は散歩に出かけようかと話していたのだが、急に眠気が襲ってきてしまい、私は昼ねさせてもらうことにした。栗はあやぴーを連れて、次の宿泊地のホテルに予約の電話をかけに出かけた。
目覚めたのは5時15分。ボーッとしつつも、着替えて部屋を出る。オートロック形式なので鍵の心配はない。ホテルを出るとものすごい風!砂埃まで舞っている。Tシャツ1枚で出てきてしまったことを後悔するも、鍵を持っていないので、中には戻れない。仕方ないので、適当に街中を歩いていると、栗の呼ぶ声がした。栗とあやぴーがカフェの室内から手を振っていた。カフェでお茶しながら、神経衰弱で遊んでいたらしい。次の宿泊地スファキアでのホテルが無事予約できたそうだ。1泊35ユーロ。スーヤやここアジア・ルーメリより10ユーロも高いが、10月末でクローズするホテルが多いので、開いているだけでも感謝しなければ。。。
それにしても、寂れたカフェ。おじいさんが一人で経営しているのだろうか。あやぴーのオレンジジュースを一口もらったら普通だったが、栗のフラペ(アイスコーヒー)は激まずだったそう。それなのに2ユーロ。スーヤでは、フラペは1,5ユーロとかだったので、ここはやはり物価が高い場所のようだ。物資供給には海路しかないし、サマリア渓谷にトレッキングに来る観光客でもっている村だから仕方がないのかもしれないが。。。
カフェを出て海沿いを散歩してみた。やけにメーメー聞こえてくると思ったら、たくさん羊がいた。道を続けて行くと、さらに別の集団に出会った。山羊もいる。道端ですれ違ってあいさつを交わしたおじいさんが、羊の群れのそばにいた。えさをあげる時間らしい。「この羊達は食べるためなんだよ。おいしいよ。」と英語で教えてくれた。そうか、それでどの家でも羊を飼育しているんだなと納得した。ここは僻地だから、完全とまでは行かなくても、自給自足的な生活なのだろう。
散歩を続けて行くと、あちこちで羊のつけた鈴の音がする。ふと山を見ると、山の上に何十匹という羊の集団がいた。お向かいの山にも、洞窟のような場所の入口にも。ここは住民より羊の方が大いに違いないと思った。
そろそろ日が落ちて寒くなってきたので、道を引き返すことにした。村の中は、既にクローズして空っぽになたホテルやレストランが多く、クローズ(閉店)の準備をしている人達も見かけた。私たちのホテルも、明後日、私たちが出発する日にクローズするそう。オーナーはその後しばらくハニアに行くのだと教えてくれた。
ホテルの部屋に戻り、まずは洗濯物チェック。風が強いので、乾いているものはすぐしまうことにした。そうでないものは、飛んでしまわないようにしっかりとつないでおいた。栗とあやぴーはいつの間にか寝てしまった。昼寝をしていないから、疲れが来たのだろう。。。
午後7時半に栗が目を覚ました。あやぴーを起こそうとしたら、まだ寝たいと言って、グズグズ泣き出した。困ったなぁと思いつつ、なんとかなだめすかせて、ホテルTARAのレストランに連れて行った。お昼ご飯を食べたお店。お客はなんとスーヤで出会ったフランス人中年夫婦二組と私達だけだった。。。(驚&汗)
オーナーが、コートレット(骨付きのあばら肉)とブロシェット(串焼き)のどちらがいいかと聞いてきたので、何のお肉かと聞くと、両方豚肉だと言われた。栗も私も串焼きでお願いすることにした。「2人分でいいね。サラダもいる?」と言われたので頷き、「ワインはハーフでいいね。」と言われたのでまた頷いた。シーズンオフなので、お客と言えどもこちらには選ぶ権利がなく、あるものを食べると言った感じ。だけどそれも楽しい。
オレガノがかかった豚肉の串焼きとフライドポテトがやってきた。あやぴーには私の分から取り分けした。ギリシャ風サラダは大皿で。お昼同様、とてもおいしい。オリーブオイルも良いお味。赤のハウスワインは、初めて松やにっぽい味がしないものだった。なかなか。
あやぴーは食べ終わると絵を描き始め、フランス語が話せるウエイターのお兄さんに見せると言って、外のテラスに出て行った。大好きなパパとママとでも、毎日私達と「しか」いないことに、そろそろうんざりし始めている頃のはず。フランス語が話せるお兄さんの登場をとても喜んでいたあやぴーだったのだ。
ハチミツ入りヨーグルトをデザートに食べながら、フランス人の中年夫婦達とおしゃべり。明日から冬時間になることを教えてもらったので、忘れないうちに時計の時間を変えておいた。彼らは明日違う村に発つらしい。ということは、明日の夕飯は私達だけなのかな。。。(汗)
フランス人達が席を立ったので、私たちも続いた。あやぴーはフランス語を話すお兄さんに、自分の描いた絵をプレゼントした。お兄さんがにっこり笑って受け取ってくれたので、私はホッとした。テラスではスタッフ達が打ち上げ中。オーナーから、「明日はレストランを開けないから、どこか違うお店で夕飯を食べるように。」と言われた。今日もお勘定はなし。全部まとめて出発の時に払うと言うシステムなのかも。。。
道が真っ暗だったせいか、スタッフの男性が大きなランプを持って出てきてくれて、私たちの足元をずっと照らしてくれた。親切な人が多いなぁ、、、とうれしかった。
相変わらずものすごい風なので、洗濯物は全て室内にしまい、ついでにテーブルセットや物干し台もしまっておくことにした。あやぴーと神経衰弱をしてから午後10時に就寝。神経衰弱は3回やって、1勝1敗1引き分けだった。それにしても、ものすごい風。まるで台風のようだと思った。。。
6時50分起床。早起きな自分に驚いたが、今日から冬時間が始まったことをすぐに思い出した。外は相変わらず風が吹いている様子。いつものように体操、ヨガ、顔面体操とフェイスケアを行い、栗とあやぴーが起きたところで、朝食を取りに昨晩のレストランに向かった。
昨日会ったフランス人の中年夫婦達もちょうど朝食を取っているところだった。コーヒー、フレッシュ・オレンジジュース、パン、バター、はちみつ、ジャム。あやぴーは久々のバターに喜び、よくパンを食べていた。
食後、栗がオーナーのところに支払いに行った。宿泊料(2泊分)、昨日の昼と夜の食事、そして今日の朝食の分。帰って来た栗に値段を聞くと、宿泊代が1泊30ユーロ、食事代は54ユーロだったという。予想より高かったので驚いた。電話で予約をした時は宿泊料は1泊25ユーロと言われていたはず。。。
栗も5ユーロ割増されていることに気付いたそうなのだが、クローズしていたホテルに泊まらせてもらったので仕方ないかと思って、何も言わなかったそう。でも、食事代の54ユーロと言うのはどう考えても納得行かない。朝食は、スーヤでは(私達は自炊していたけど)、この内容で1人4ユーロとカフェのメニューに書かれていた。3人分だとして合計12ユーロ。昨日のお昼は、ギリシャ風サラダ、ジャジキ、目玉焼きにビール1本、コーヒー2杯。他の街だったら10ユーロ前後の値段であるはず。朝食12ユーロに、ランチ10ユーロで、合計22ユーロ。とすると、昨晩の夕飯は32ユーロだったということになる。食事内容を考えると相当高い。これまでに食事をした他のレストランに比べると、ぼったくりとも言える値段である。。。
「支払いは後でいいから。」と言われて、そのままにしていた自分達に腹が立った。全部ごっちゃになってしまったら、何が何だかわからない。やはり一回一回しっかり払っておけばよかったのだ。後悔先立たず。。。ここの人達が「お金に執着しない人達だ。」などとのん気に構えていた自分達が、いかに甘かったかを思い知らされた。なんだか、良いカモになってしまったようだ。栗も私も一気に落ち込んだ。。。
しかし、今日はサマリア渓谷へ一日トレッキング。気を取り直して荷物を用意し、ホテルを出た。と言っても、「こんなところに来なければ良かった。」と言う思いがなかなか拭えず、足取りが重く感じられた。おまけに、アジア・ルーメリの村からサマリア渓谷に行く道は、日が差さないために暗く、風がビュービュー吹いていて物悲しい雰囲気。誰一人口を開くことなく、ただもくもくと歩を進めた。
渓谷の入口で入場料を1人5ユーロ支払い、中に入る。あやぴーは無料だった。そびえたつ岩肌の山々、清らかな川を見て、すこし心が和んだ。1キロほど歩くと、SIDEROPORTES(鉄の扉)と名付けられたスポットに到着。岩と岩の間が非常に狭くて(2,5m)、川を挟む両側の岩山の高さは300mもある。オスマントルコ軍も打ち破れなかったという伝説の場所らしい。栗とあやぴーが間に入り、手をつないで両手を広げた。両側の岩に手が届きそうな感じだった。せっかくなので記念撮影。ちょっと元気になった。
川沿いの道をひたすら上っていく。時折、木で作られた小さな橋を渡って対岸に行ったり、また戻ってきたりした。なんとなくでも歩くコースがわかるのはありがたい。途中、チリンチリンという音がしたので振り向くと、山の上に山羊がいた。こんなところにまで山羊がいることに驚きながら、のんびり歩き続けた。山と山の間は暗く、風が吹くと寒かった。大きな山に囲まれていると、自分達がいかに小さな存在であることに気付かされた。見飽きることのない景色が次々と続く。何重にもひだができている岩肌。縞模様になっていたり、白く光っているところもあった。
対岸に渡る際に、あやぴーが片足を川に突っ込み、靴をぬらすというハプニングがあった。栗があわててあやぴーの腕をつかみ、結局、肩車をして渡ることになった。その後も少し険しい道が続いたので、そのまま栗が肩車をして歩いた。すると、山と山の間が全て川になっているという恐ろしい場所にぶつかった。簡単な橋が設置されていたが、取ってつけたような頼りなさ。おそるおそる歩いてみたら、少しだけど重力で橋が沈む。恐いよ~。川の水はものすごい勢いで流れているし、深さもある。手に汗を握りながら、勇気を出して歩き続けた。すると、突然橋が見えなくなった。水が多すぎるのだ。どうしよう。これ以上進めない。。。(汗)
「水があって、先には行けないよ!」とあわてて栗に言うと、「靴と靴下を脱いで歩け。方法はそれしかない。」という声が背後から聞こえた。「ええ~っ!こんなゆらゆらした橋の上で靴を脱ぐの?!」と思ったが、もう後戻りすることはできないし、前に進みたかったら確かにそうするしかないのかもしれない。あまり深く考えず、靴と靴下を脱いで、急いで橋を渡った。栗も、あやぴーを肩車しながら、重いリュックを背中に背負いながら、腰をかがめて靴と靴下を脱ぎ、何とか橋を渡り終えた。あやぴーは相当不安だったようで、涙目になっていた。気持ちはわかる。。。
ようやく橋が終わったところで、足を乾かし、靴下と靴を履きながら休憩。栗が背中の筋をおかしくした気がするというので、私がもみほぐしてあげた。栗は首も肩もパンパン。毎日、何かしら重い荷物を背負っている栗。それは、バックパックだったり、食べ物やミネラル・ウォーターが入ったリュックサックだったり、あやぴーだったり。家長は大変。お疲れ様です。。。
一同、気分を入れ替えて再出発。歩く、歩く、ひたすら歩く。野生のオレガノがあちこちに茂り、とても良い香りがした。松林が見えてくると、今度は松の匂いが一面を覆った。耳に聞こえてくるのは水の流れる音だけ。自然の恵みをおすそ分けしてもらっている、そんな気がした。
しばらく行くと、川の水が全く見えなくなった。地面下を流れているのだろう。本来、少しは水が流れると思われる場所も、カラッカラに干からびていていた。その上を歩いて行く。小石の上なのでなかなか疲れるが、こんな雄大な渓谷を歩くのは滅多にない経験。ワクワクした。
あやぴーはノートとペンを手に持ち、休憩ごとにお絵かき。「花を取ってはいけない。」、「水を触ってはいけない。」という風に、散策の上での注意事項を絵にしているのが微笑ましく思われた。また、1キロごとに設置されている標識の数字を読むのも楽しみにしながら、頑張って歩いていた。
2時間位歩いたところで「おなかが空いた。」とあやぴーがぐずり始めた。11時半だったので、「まだお昼の時間じゃないよ。」と言ったのだが、悲しそうな顔をしているので、チョコレートを1かけあげることにした。栗と私にも1つずつ。「どうしてチョコがあるの?!」と栗は驚いていた。板チョコの残りをこっそりポケットにしのばせておいて正解だった。あやぴーも栗も私も、チョコレートのおかげでまた元気が湧いてきた。
しかし、チョコ1かけのバッテリーはあまり長続きせず、あやぴーはまたお腹が空いたと涙声で訴えてきた。栗が、「ピクニックをする場所は「6」という標識の前にある。僕達はずいぶん前に「4」の標識を通ったから、次の「5」を通ればすぐ「6」なんだよ。」と説明し、あやぴーを励ましながら歩き続けた。まもなく、「5」の標識が現れ、水飲み場で水を飲みながら、「あともう少し!」とお互いを励ましあった。あと700mの予定なのだが、本当だろう、、、と思いながら歩いていると、道が石畳になり、オリーブ畑が目の前に広がった。人の香りがする!
「もしかして?もしかして?」と道を急ぐと、右側に廃虚が現れた。やったー!目的地のサマリア・ビレッジに到着した!やったー!でも、対岸に渡る道がない・・・(汗)。もしかしたら、廃虚は遠くから眺めるだけのものなのかも、、と思いながら前に進んで行くと、「Samarian Village」と書かれた看板があり、対岸に渡れるようになっていた。しかも、木で出来たテーブルセットがあちこちに置かれている。サマリア渓谷国立公園の職員と思われる男性が三人、テーブルについておしゃべりをしていた。「ヤーサス。」とあいさつをすると、みんな笑顔を返してくれた。
あっ、山羊がいる!・・・と思ったら、普通の山羊ではなかった。クレタ島、しかもサマリア渓谷周辺に40頭ほど残っていないという保護動物Kri-Kri(クリクリ)というクレタ山羊だった!野生なので当然鈴はついていない。10匹ほどそこら辺で草を食べていた。近づくと逃げて行くのだが、人をすごく恐れているという感じでもない。保護されているからだろうか。
風が当たらないテーブルに陣取り、栗がリュックサックからミネラル・ウォーターを取り出して、まず水を飲んだ。その後、栗がパンをチーズを出し、サンドイッチを作ってくれた。3時間ちょっととは言え、よく頑張った自分たちが誇らしく、シンプルなサンドイッチがとてもおいしく感じられた。クリクリが近くに来たので、固くなったパンの端っこの部分を隣のベンチの上にそーっと置いてやった。すると、静かに近寄ってきて、パンをボリボリかじっていた。か~わいい!あやぴーはサンドイッチを食べ終わると枯葉を集め、クリクリにあげていた。のんびり休憩。栗は暖かい日差しの下でお昼ね。
職員の人に「どこから来たの?」と言われたので、日本人だと答えると、「ギリシャ語を話せるか?」と言うので、私がギリシャ語で知っている数少ないフレーズの一つ、「ゼン・カタラヴェノ・エリニカ。(私はギリシャ語を話せません。)」を披露すると、「ウソウソ、ちゃんと話しているじゃないか。」と言って笑われた。サイン帳に一言書いてほしいと言われたので、メッセージを残すことにした。
実は、そうそうのんびりはしていられなかったりする。帰りの道が待っているのだ。栗と交代でトイレに行った後、道を引き返すことにした。上りと下りとでは目に入る景色が与える印象が全然違う。道がわかっているからか、下りだからか、行きよりスムーズに思えた。時々人の姿が見える。サマリア渓谷は上からスタートして渓谷を下りて行くのが一般的なコース。行きは上りだったので誰にも会わなかったが、帰りは下りなので上から来る人達に出会うというわけだ。
あやぴーは元気いっぱいで、「休もうか?」と言っても、休もうとせずにひたすら歩いていた。途中で、職員の人たちに抜かされた。みんなさすがに歩くのが速い。馬の背中に看板を乗せているところを見ると、店じまいの様子。そう、サマリア国立公園は今日10月31日を持って冬の間一旦クローズするのだ。
そうこうしているうちに、行きに靴を脱いで渡らなければならなかった橋が見えてきた。しかし、午後になったせいか、川の水量がガクンと減った模様。朝は完璧に水の中に埋もれていた部分も、既に乾き始めているところだった。「帰りは写真を撮ろうね!」と張り切っていたので、ちょっと拍子抜け。でも、あやぴーが恐がるので、帰りも栗が肩車をして渡った。
橋を渡った後は、あやぴーが私の手を取ったので、女子チームと男子チームに分かれて歩いた。あやぴーと二人、最初は歩きながら日本語の童謡を歌っていたのだが、ふとあやぴーは即興の歌を作り始めた。「あや、ママが大好き~~~。ママは誰が好き~~~?」というもの。
「なんじゃ、この歌は?!」と思ったが(笑)、せっかくなので、同じような調べで、「ママはあやが好き~~~。あやは食べもので何が好き~~~?」とお返しすると、「あやはチョコレートとパンとギリシャサラダとグリーンサラダが好き~~~。ママは何が好き~~~?」という答えで、好きな色、好きな動物、好きな花など、歌いながらの質疑応答が長いこと続いた。
そうこうしているうちに、サマリア渓谷の出口に到着。帰りはあっという間だった。窓口で係の人が笑顔で迎えてくれた。よく見ると、サマリア・ビレッジにいたおじさんだった。途中で私達を抜かして行った人である。おおっ!
アジア・ルーメリの村まで、相変わらず物悲しい道を歩く。栗と私は素晴らしい夢の世界から現実に引き戻されたような気分だった。あやぴーはあちこちに放し飼いにされた羊に大喜びだったが。。。
午後4時45分、部屋に到着。栗がバタンとベッドに倒れた。私はあやぴーに「神経衰弱がしたい!」とせがまれて、一緒に遊ぶはめになった。二人でやるのもなんなので、私とあやぴー、そしてあやぴーの親友「ブタブタ(ブタのぬいぐるみ)」の三人(?)で勝負。1回目はあやぴーが勝ち、2回目は私、3回目はあやぴーとブタブタの引き分けだった。
交代でシャワーを浴びた後、栗は読書。私は日記を書き、あやぴーは平仮名とカタカナの勉強をした。あやぴーが勉強をするのはバカンス中初めて!(笑)。あやぴーは私の日記が気になるらしく、「早く漢字が書けるようになりたい。」としきりに言っていた。うれしく思った。
7時半に夕飯に出かけようとホテルの玄関を出ると、ホテルの周りに金網が張り巡らされていてびっくりした。何とか出口を見つけて、外に出る。村のレストランはどこもクローズ。昨日まで食事をしていたTARAでさえも、「今日はよそで食べてね。」とのこと。
ホテル(HOTEL CALYPSO)のすぐ隣にあるレストランFARAGIに入る。村の中ではもうここ一軒しか開いていない。「ギリシャサラダとジャジキとピザしか作れないけど。」と言われたが、それで十分なので、中のテラス席に座る。ドイツ人の若い女の子が二人いた。サマリア渓谷で出会った子達である。一人はシュテフィ・グラフ似の金髪の長身、もう一人は茶色の髪の毛で緑の目をした可愛いタイプ。みんなでワイワイおしゃべりしていると、お店の人から早く席につくようにと叱られた。彼らも早く食事がしたいらしい。。。(笑)
ギリシャサラダとジャジキを1つずつ頼む。ビールの(小)を頼んだが、出てきたのは(大)だった。。。でも、この村はそういうところだとわかったので、もう驚くこともない。あやぴーには小さいミネラル・ウォーターのボトルを頼んだ。残り物で作っているギリシャサラダにはキャベツが入っていて驚いたが、生キャベツの千切りを食べるのは久しぶりだったので、栗とあやぴーには不評だったが、私はうれしかった。
ドイツ人の女の子達はラキ(グラッパのような食後酒)を1瓶分あけて、完璧にできあがっている。お店の男性達、大喜び。彼女達にラキを注ぐついでにお客全員にラキを注いで回り、続いて、グリルされた海老の乗ったお皿がお店からのプレゼントとして振舞われた。我が家は栗もあやぴーも海老を食べないので、私一人で頂くことになった。二人には申し訳ないけどラッキー。(笑)
風が強くて意外と寒い。ビール、大ジョッキが来て正解だったかも。栗とあやぴーは食後にお絵かき。二人で爆笑していた。私はドイツ人の女の子二人組と、彼女達を取り巻く周りの男性達の人間模様に興味津々。というのも、お店の男性陣だけでなく、彼女達の横にはドイツ人男性二人組が座っていたからだ。ドイツ人の女の子達はバックパックを横に置いていたので、まだ宿を取っていないのかもしれない。あるいは野宿なのかも。しかし、彼女達のおかげで、「ヤマス」というのが「乾杯」という意味だということを学んだ。というのも、彼女達は飲む前に「ヤマス!」と言いながら杯を上げて微笑むので、律儀な私はその度に「ヤマス!」と答えていたからだ。ドイツ人の女の子達は、その後店内に